壊れた醤油樽の新たな役目

2021-03-17

日ごとに春の気配が近づき、お弁当をもって外で食事がしたくなります。御飯の上にのせているのは、味噌漬け「きざみ」。いいアクセントになります。
今回はお弁当時に愛用している、このお箸について記載します。

何かが壊れたり、使えなくなってしまった時に、まずは直せるか?直すのが難しい時にはどうやって活かしていくか?


そのようなことが、自分たちの中で自然な考え方・行いでした。最近、お客様にこのお箸のことをお話する機会があり、とても驚かれたり、ご関心を寄せていただくことが多かったので、ブログに記載します。


数年前の話です。修復が難しくなった、星野本店の醤油樽がありました。立派な杉材で作られ、長年使い込み愛着のあるこの木を、このまま捨ててしまうのももったいない。どうしたものかと私達は思案していました。


そんな折にご縁あり、箸専門店の「銀座 夏野」様にお力添えをいただき、樽材を使ってお箸を作ってはどうかとご助言をいただきました。

巨大な樽の行末を案じ途方にくれていた中に一筋の光が見えました。もちろん、この製作をお願いしました。


役目を終えたと思っていた木に、また新たな命を箸職人が吹き込む作業は、とても神々しくみえました。長年寄り添ってきた樽をただ廃棄するだけとならず、本当に良かったと思いました。


★★★


この出来事を通して、日本の文化・考え方や職人さんの技術というのは、元来とても循環型の性質を持ち合わせているものだと改めて感じています。


古いものを大切にしたり、最後まで使い切るということ。時間が経つほどに味が出るもの、つまるところ自然のものを取り入れること。


現在のような科学技術がない時代から存在し、今にもずっと伝わっているもの(いわゆる伝統産業)には、それそのものの歴史の中に持続性の鍵があり、これからの循環型社会へのヒントが隠されているのかもしれません。


だからと言って、昔のものがいい、と偏った懐古主義に浸るのでなく、そのエッセンスを現代の技術と結びつけて、変化に対応させ、人や社会のためになるよう還元していくことが大切なのではないかと感じています。


170年余商売を続けさせておりますが、昔から引き継いできたものを大切にしながらも、それをどう今・これからの社会に寄り添う形にしていけるか、考えていきたいと思います。



御箸の製作に関して、多大なお力添えをいただいた銀座夏野 様に、改めて御礼申し上げます。


銀座 夏野

東京都中央区銀座6-7-4

https://www.e-ohashi.com/

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